「健康長寿への道を拓く県民運動20年」

健康ひょうご21県民運動推進会議
 会長 家森 幸男

 新型コロナウィルス感染症の猛威で、自分がまず健康でなければ、ほかの人も健康になれない、健康づくりはみんなが力を合わせねばならない連帯事業であることを学びました。この試練の中、今年、県民がみんなで健康長寿を目指す「健康ひょうご21県民運動」は、県民と行政、企業が協力して推進する「健康ひょうご21大作戦」とともに20年目を迎えました。
 この20年の間に1000を超える県民運動参画団体にご協力いただき、毎年約2000人の健康づくり推進員の皆様の積極的なご尽力のお陰で、たとえば、食の健康運動では、「食はバランス、ごはん、大豆と減塩で、元気なひょうご!」と呼びかけ、着実な成果が得られてきました。24時間採尿を用いた栄養健診の結果では、大豆や魚を食べている方は野菜や海藻も摂取され、動脈硬化や糖尿病にもなりにくく、認知症の発症も抑えると期待される葉酸値の高いことが確認されました。しかし、残念ながら大豆、魚をよく食べる人は、塩分の摂取が多く、それでは高血圧から脳卒中に、そして寝たきり、認知症にもなりかねません。したがって、適塩で、大豆、魚を日常的に摂り、塩分の害も防ぐ野菜や果物を積極的に食べれば、健康寿命は自分で伸ばせることがわかりました。
 県民運動20周年を記念して、”日本食”と並んで心臓死が少なく長寿食として注目される”地中海食”とを世界研究で比較したところ、共通の栄養素(マグネシウム、タウリン)が摂られていることがわかり、さらにこの栄養素を摂取している県民は、大豆、魚、野菜、きのこ、牛乳、乾物の摂取が多く、脂肪分の多い食事が少ないことが検証されました。まさに、世界のトップの長寿を支える栄養は日本人にとってごく身近な食材で得られるのです。
 このような県民運動20年間の成果は、多くの参画団体により得られてきましたが、その一部をホームページで紹介させていただきます。
 今後も県民運動では、「ひょうご健康づくり県民行動指標」を道しるべとして、なお一層、県民の健康づくりを実践してまいります。県民一人一人が生活習慣病のリスクを確実に減らすこと、すなわち、「食」や「からだ」、「こころ」の健康づくり、「歯及び口腔の健康づくり」、「健康危機における健康確保対策」を日々実践すること自体が、今後の感染症の第2、第3波に際しても重症化を防ぎ、県民全体の健康を護る力になると期待されます。まさに、県民の連帯で健康づくりの未来は拓けます。今後とも皆様のご理解とご支援を賜りますようお願い申し上げます。

戻る