開眼片脚立ちの体力測定結果がよくても、左右差が大きければロコモティブシンドロームのリスクは高い(浜松医科大学)

発信日:2020/10/20

 浜松医科大学健康社会医学講座の柴田陽介氏らの報告。日本の科学雑誌「運動疫学研究、22巻2号」で公開。静岡県浜松市の2017年度ロコモーショントレーニング事業に参加して片脚起立(開眼片脚立ち)の測定を行った地域高齢者1,211例が対象。
 片脚起立の体力測定は左右の脚の起立時間のうち最長記録を結果とするため左右差については詳しいことが分かっていない。そこで、左右差にも注目して、片脚起立時間の結果により、対象を「60秒(満点)」、「15~60秒未満」、「15秒未満」に3分割。さらに左右差「なし」、「10秒未満」、「10秒以上」の3群に分類してロコモティブシンドロームとの関係を比較検討。

 結果、これまでの報告と同様、片脚起立の記録が悪いとロコモティブシンドロームの人が多いことを確認(上図左)。次に、片脚起立時間60秒グループのロコモティブシンドロームの人を検討すると、「左右差なし」で6.4%、「10秒未満」で6.3%と、両群で大きな違いは見られなかった。しかし、「10秒以上」では12.8%と、「左右差なし」に比べて2倍と有意に高かった(P=0.03)(上図右)。

 柴田氏らは「今回の研究で、片脚起立が満点でも、左右差が10秒以上あると、ロコモティブシンドロームのリスクが高まることが示唆された。さらに、他の体力測定の左右差もロコモティブシンドロームに影響しているかもしれない。また、要介護や死亡リスクとの関連も考えられるかもしれない。今後検討していきたい。」とまとめている。

 「高齢者の体力測定『片脚起立』、満点でも左右差に注意」国立大学法人浜松医科大学プレスリリース(PDFファイル) 
 https://www.hama-med.ac.jp/mt_files/0fd311d7e4941ade3783501f3f0dbf25.pdf

 

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