日本が「結核低まん延国」に
発信日:2022/09/14
2021年の結核罹患率(人口10万対)は9.2であり、前年と比べ0.9減少し、結核低まん延国となった。日本の結核 罹患率は、米国等他の先進国の水準に年々近づき、近隣アジア諸国に比べても低い水準にある。 しかし、2021年の罹患率は新型コロナウイルス感染症が大きく影響しており、今後とも慎重に経過を見守る必要が ある。
一方、兵庫県内の結核罹患率(人口10万対)は10.8であり、前年と比べ0.9減少したものの、全国の罹患率より 1.6高くなっている。また、2021年の人口10万人あたりの新規患者の発生数は全国ワースト7位となっている。
(出典:厚生労働省「2021年結核登録者情報調査年報集計結果」より作図)
結核の現状
国を挙げての様々な対策により結核患者は激減しましたが、2021年の新登録患者数は11,519人、死亡者数は 1,844人となっており、今も日本の最大級の感染症です。
また、結核を発病した人の約4割が80歳以上の高齢者で、20~29歳では約7割が外国生まれの患者となってい ます。
結核の症状
結核の初期症状は風邪に似ています。咳が続く、痰や血痰が出る、体重が急激に減少する、微熱が続くなどの症状 が現れたら、すぐに医療機関を受診しましょう。
予防のためには
普段から適度な運動、十分な睡眠、バランスのとれた食生活、タバコを吸わないなど、抵抗力を高めておくことが 重要です。また、抵抗力の弱い赤ちゃんは、結核に感染すると重症になりやすく、予防のためにはBCG接種が有効 です。日本の定期の予防接種では、生後1歳未満(標準的な接種は生後5か月から8か月の間)の小児にBCGの予 防接種が行われています。市町村からの案内に従って遅くとも1歳未満に接種しましょう。
出典・参考
厚生労働省「2021年 結核登録者情報調査年報集計結果」(参照 2022-9-8) https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000981709.pdf
兵庫県「結核に関するページ」(参照 2022-9-8) https://web.pref.hyogo.lg.jp/kf16/hw12_000000060.html
首相官邸「結核対策」(参照 2022-9-8)
https://www.kantei.go.jp/jp/headline/kansensho/kekkaku.html
結核予防会「結核予防会ニュースリリース(2022.9)」(参照 2022-9-8)