カマンベールチーズ摂取による認知症予防の可能性を示唆
発信日:2019/11/18
2019年11月6日の、桜美林大学(学長:畑山浩昭)、地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(理事長:鳥羽研二)および株式会社 明治(代表取締役社長:松田克也)の共同研究グループのプレスリリース。
東京都に居住する70歳以上の高齢女性689人のうち、軽度認知障害と判断された(※1)高齢女性71人を対象として、白カビ発酵チーズ(カマンベールチーズ)とカビ発酵していないプロセスチーズ(対照チーズ)の摂取によるBDNF(※2)への影響を評価する試験を実施。対象者を無作為に2群に分け、1つの群には市販の6Pカマンベールチーズを1日2ピース、対照群には市販の6Pプロセスチーズを1日2ピース、それぞれ3ヶ月間摂取し、血中BDNF濃度を測定。その後、3ヶ月間期間を空けて、摂取する食品を群間で入れ替え同様のことを実施。結果、カマンベールチーズ摂取時には、対照チーズ摂取時と比較して、血中BDNF濃度の変化が有意に高い値を示した(上図)。
研究の成果から軽度認知障害の高齢者において世界で初めてヒトを対象とした試験でカマンベールチーズ摂取による認知症予防の可能性を示唆したと報告。
研究成果は、2019年9月24日に、老年学・老年医学分野で評価の高い国際科学雑誌Journal of the American Medical Directors Association (JAMDA)に掲載。
(※1):自覚的なもの忘れの訴えがあり、認知機能を確認するテスト(MMSE)の結果が23~26点の方を軽度認知障害と判断。
(※2):BDNFは、脳内の神経細胞の成長を促したり維持したりする作用をもつタンパク質。記憶や学習においても重要な働きを持つとされる。
上記プレスリリース資料(PDFファイル)
https://www.tmghig.jp/research/release/cms_upload/12a9d92f3e75c00e65c44e954c36152f_2.pdf