2018特別編「Dr.家森と楽しむ 世界の健康長寿食」ランチセミナー
平成30年10月10日、健康ひょうご21県民運動健康づくり推進員のフォローアップ研修を兼ねて、ランチセミナー「Dr.家森と楽しむ 世界の健康長寿食」を開催しました。
このセミナーは健康ひょうご21県民運動の協力企業、神戸ポートピアホテルとの共催企画で、第2回目を迎えました。
第一部は、「Dr.家森(ドクター やもり)」こと、健康長寿食研究の第一人者 家森 幸男会長(兵庫県健康財団・健康ひょうご21県民運動推進会議)から「なぜ香港が世界一に?~平均寿命が日本を超えたわけ~」と題し、日頃の世界調査の結果や香港の長寿者の暮らしを紹介したDVDを見ながら、健康長寿のための食生活や生活習慣についてお話いただきました。
第二部では、「香港の長寿食を楽しもう」と題し、神戸ポートピアホテル 中国レストラン「聚景園」料理長 佐藤 幸治氏プロデュースのスペシャルランチを佐藤料理長、家森会長の解説とともに楽しみました。その内容をご紹介します。
なぜ香港が世界一に?~平均寿命が日本を超えたわけ~
世界の人々の24時間尿を分析した結果、大豆のイソフラボン、魚に含まれるタウリンが多い地域は、平均寿命を短くする心臓死が少ないことがわかりました。日本人は大豆や魚を世界一多く摂っているから、心臓死が少なく、長寿であることも分かりましたが、残念ながら食塩を多く摂っているので、高血圧、脳卒中になりやすく、健康寿命が短くなります。
ところが、香港のお向かいの広州での調査では、大豆や魚は日本人と同じように多く摂り、その上、食塩は1日5.7gと低く、日本人の半分でした。広州は自然環境に恵まれ、新鮮な食材が手に入るため、食塩が少なくてもおいしく食べることができます。香港は広州と同じ食生活で「食の健康」に恵まれています。さらに坂の多い狭い地域に住み、エレベーターのないビルも多いので、「からだの健康」にも良いのです。そして、儒教の教えが行き届き、お年寄りが大切にされ、3~4世代の家族に囲まれて食事を楽しむ“長寿の食卓”が日常的で「心の健康」にも良いのです。
食、からだ、心の健康の3つがそろえば、どこでも健康長寿は可能なのです。
香港の長寿食を楽しもう
神戸ポートピアホテル 中国レストラン 聚景園 料理長 プロデユース スペシャルランチ
<メニュー>
彩りチャイニーズサラダ仕立て 中華風胡麻ドレッシング
枸杞(クコ)・干し椎茸・蓮の実・広東白菜などの乾物入り健康蒸しスープ
スジアラ(白身魚)と豆腐の豆鼓(トウチ)のせ強火スチーム チンゲン菜添え
低GI米の白粥 揚げウーロン茶葉などいろいろなトッピングで
豆乳プリンのマンゴーソース酒醸(チューニャン)のアクセント
ひと言栄養ポイント
香港は、大都会でありながら、近隣には、山や海があり、新鮮な食材が豊富です。そのため、食塩が少なくてもおいしく食べられるのが特徴です。
今回は、新鮮な野菜、魚、大豆を取り入れるとともに、味付けには、ゴマや乾物、発酵食品などを活用し、食塩は、2.9gに抑えられています。
「彩りチャイニーズサラダ仕立て 中華風胡麻ドレッシング」は、ゴマの風味を生かしたドレッシングを用い、少ない食塩でもおいしく仕上げています。
「枸杞(クコ)・干し椎茸・蓮の実・広東白菜などの乾物入り健康 蒸しスープ」は干し貝柱、金華ハム、干ししいたけなどの乾物を用い、数時間かけてじっくりと蒸しあげることで、味わい深く。食塩を加えずに仕上げています。
「スジアラ(白身魚)と豆腐の豆鼓(トウチ)のせ強火スチーム チンゲン菜添え」は、淡白な白身魚、豆腐を発酵食品「豆鼓」の独特の風味もポイントに。ネギ、しょうが等香味野菜を生かして蒸し上げました。
「低GI米の白粥 揚げウーロン茶葉などいろいろなトッピングで」は、ザーサイ、揚げちりめんじゃこ、干し肉のふりかけ、レタス、ネギ、揚げウーロン茶葉を好みでトッピングして楽しむ一品。低GI米という血糖値の上がりにくいお米を使っています。
「豆乳プリンのマンゴーソース酒醸(チューニャン)のアクセント」は、豆乳のなめらかなプリンに、濃厚なマンゴーソースを合わせたしっかりめのデザートです。酒醸(チューニャン)は、もち米を発酵させた調味料で日本でいうと「甘酒」のようなもの。デザートの他に、やさしい甘みをつけるため、エビチリソースに使われたりすることもあります。
司会者から、佐藤料理長への質問形式で、料理のポイントや食材について解説があり、楽しく、ためになるランチタイムとなりました。
当日のお料理の中から2品について、次回ホームページでレシピをご紹介します。