適塩和食のすすめ(平成27年10月)

和食はユネスコの世界無形文化遺産となりましたが、世界60を超える地域で栄養と健康の関係を調べて、「和食こそ世界に誇る長寿食」だと分かってきました。

日本人の世界一の平均寿命は心臓死が世界の先進国の中で一番少ないからですが、それは、お米を主食とし、コレステロールが低めで、しかも、大豆や魚を常食としているからです。

大豆の蛋白質やイソフラボン、魚のDHAやタウリンは、心臓死を防ぐ力があるのです。

健康ひょうご21県民運動では、「食はバランス ごはん、大豆(魚など和食)と減塩で元気なひょうご」と呼びかけています。大豆を食べている人は、魚や野菜、海藻も食べ、日本人がなり易い糖尿病の予防も可能だとわかってきました。

しかし、一つ困った事があります。このように良い和食を摂っている人は、塩分を摂り過ぎている方が多いのです。塩分の摂り過ぎは世界調査でも明らかなように血圧をあげ、脳卒中を増やします。したがって厚生労働省では、今年の4月から、男性8g、女性7gを1日の摂取の上限と決めたのです。県民運動の調査でも、8割以上の方が塩分を摂り過ぎています。大盛りのインスタント麺を汁ごと食べれば1杯で7g以上です。こんな食生活を続けると長生きしても脳卒中や寝たきりになり、要介護で平均10年も暮らすことになります。

今や、塩分を摂り過ぎず適塩で、大豆、魚、野菜、海藻など和食を楽しめば生涯健康に過ごせるのです。(家森)

適塩和食

適塩けんちん汁

材料:2人分

木綿豆腐1/3丁(100g)
大根2cm輪切り(50g)
人参2cm(20g)
ごぼう1/4本
こんにゃく1/5枚
干ししいたけ2枚
ごま油小さじ1
だし汁300cc
小さじ1/6
しょうゆ小さじ1
みりん小さじ1
青ねぎ少々

※柚子、七味、おろししょうが、黒こしょうなど好みで。

けんちん汁
エネルギー(一人分):
90kcal
塩分(一人分):
1.0g

作り方

  1. だし汁をとっておく。豆腐は水切りしておく。大根、人参はいちょう切り、ごぼうは斜めの薄切り、こんにゃくは2cm角の薄切り、干ししいたけは戻して千切りにする。
  2. 鍋にごま油を熱し、野菜、こんにゃく、しいたけを炒める。豆腐を加え、崩しながら更に炒める。だし汁を加え、野菜がやわらかくなるまで蓋をして静かに煮立つ程度の火加減で10〜15分くらい煮る。
  3. 塩・しょうゆ・みりんで調味し、青ねぎの小口切りを加える。(しばらく置くと味がなじむ)

減塩のコツ

おいしい「だし」は和食の特徴のひとつで、その「旨み」を活用すると適塩で、おいしい料理ができます。粉末や液体の便利な商品も出ていますが、基本の「だし」を知り、「汁」を味わう料理にはぜひ活用を!

おいしい「だし」をとろう!(汁物 2人分)

おいしい「だし」をとろう!(汁物 2人分)

(作り方)

水を沸騰させ、かつお節を入れ、弱火で1分沸かし、火を止める。
かつおぶしが沈むまでおいて、こす。

※市販のだしパックや粉末・液体だしには、塩分が含まれているものが多いので、その分調味料は加減して使いましょう。

(料理・指導(公財)兵庫県健康財団 管理栄養士 荒井)

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